倫理綱領
社会福祉士の成年後見人の会議で話をしている時に、社会福祉士の倫理綱領が好きだと言っている人がいた。それまであまり倫理綱領を意識していなかった私は、改めて倫理綱領に目を通した。
我々専門職の集団には倫理綱領というものがある。特に福祉・看護等の分野の職能集団には倫理綱領を持っている団体が多い。
人々の権利意識の高まりや価値観の多様化等により、私たち専門職は多くの倫理的課題に直面するようになり、専門職としてより質の高いサービスを提供するために、深い知識と確実な技術だけでなく、高い倫理性が不可欠となった。倫理綱領とは、専門職自身が専門職集団内部の人間の行動を規定する文書である。
社会福祉士の倫理綱領
前文
われわれ社会福祉士は、すべての人が人間としての尊厳を有し、価値ある存在であり、平等であることを深く認識する。われわれは平和を擁護し、人権と社会正義の原理に則り、サービス利用者本位の質の高い福祉サービスの開発と提供に努めることによって、社会福祉の推進とサービス利用者の自己実現をめざす専門職であることを言明する。
われわれは、社会の進展に伴う社会変動が、ともすれば環境破壊及び人間疎外をもたらすことに着目する時、この専門職がこれからの福祉社会にとって不可欠の制度であることを自覚するとともに、専門職社会福祉士の職責についての一般社会及び市民の理解を深め、その啓発に努める。
これが社会福祉士の倫理綱領の前文である。
あらためて読んでみると、身の引き締まる思いがした。物事が大きく動いている今日において、専門職としての自覚を持ち、自らを社会資源として位置づけることのできるように襟を正すことが必要であると感じる今日この頃である。