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いくつになっても考え方の基本は変わらないかも

「70歳を過ぎたあるお年寄りの豹変」

 私の家で会議をしていました。ちょうど昼をまたぐ会議であったため、ある業者にお弁当を配達していただくように、役員のAさんはお願いをされていました。
 しかし、約束の時間になってもお弁当は届きません。注文をした責任上、Aさんは弁当が届かないことが気になって仕方がありません。15分くらい約束の時間が過ぎましたので、Aさんはその業者に電話を入れました。
 どうやら、その業者が場所を間違えていた様子で、現在こちらに向かっているとのことでした。Aさんはかんかんになり、配達してきたら一言いってやらんと気がすまんと怒っておられました。
 もともと短気だったAさんだと知っていた私は、「まあ30分くらいの遅れだったらええわな」となだめていましたが、Aさんの怒りはおさまりません。
 予定の時間より30分が経過した頃、お弁当屋の車が見えました。Aさんは肩をいからせてその車に向かって歩いていきました。
 車の中にいるお弁当屋の職員に向かい何か話をしています。「あ~あ、おこっとんなるわ」と思って見ていると、Aさんが振り返った顔は笑顔でした。それもとても嬉しそうに。
 そしてAさんが言われるには、「わきゃ~女の子が持って来て、重たげ~にしとったでおみゃあ、わしがはこんじゃったわ・・・」※
 私はその豹変に、「・・・・・・」。この様子だと、配達時間が遅れた文句もいっとんならんだろうな・・・と思いましたが、反面ほっと胸をなでおろしました。
 やっぱり、齢をとっても、基本的な発想は変わらんものだなと思いました。

※丹後弁を訳すと、「若い女性が持ってきて、重たそうにしていたので、私が運んであげたわ」です。途中の「おみゃあ」はあなたという意味ですが、意味なく会話の中に使用する場合があります。

投稿者:青レンジャー | Posted in 居宅便り | No Comments »

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