「食」へのこだわり
高齢者の方にとって、食事は楽しみや生きがいであったり、食べることで生活リズムや季節感を感じることができたり、また、元気で生活するために必要な栄養素を体に摂り入れるという、とても重要な意味があります。
私たちでもおいしいものを食べたり、お腹いっぱい食べたりすると、とても満足感が得られ、体が元気になるとともに、気持ちも明るくなります。
生きる意欲につながるような食事が提供できるよう「食」にこだわっていきたい、その一つが「ソフト食」の取り組みです。
ソフト食とは、食材をミキサーにかけて固め直したもののことをいいます。加齢や病気により噛む力が弱くなっている方向けに柔らかくして提供する食事です。見た目が悪く食欲がわかない、口の中でまとまりにくく、誤嚥を起こしやすい(きざみ食)、ドロドロの状態で具材がわからず美味しくない(ミキサー食)などのきざみ食やミキサー食のデメリットがカバーされています。
現在、久美浜苑の栄養士と調理職員、そして佐濃デイサービスの調理職員で、ソフト食の勉強会を月1回行っています。今までに、焼き魚に煮魚、から揚げ、肉じゃが、おはぎ、うどんやそば、等々、色々なメニューに挑戦しました。思っていたような形や味にならなかったり、硬かったり、反対に固まらなかったりと、試行錯誤しています。どのようにしたら他の方と同じような見た目に作り上げられるか、見た目だけでなく味もおいしくできるのか、素材の味を引き出すにはどうしたら良いのか等、課題がたくさんです。
この勉強会で学んだことを実践して、利用者様に提供しています。麺類に関しては、かなり質の向上が図れたと思います。「何を食べているのかわからないようなドロドロの状態から、スプーンや箸でつかめる状態で提供できる!」と作る側も自信をもって出せますし、何より利用者様の食への楽しみにつながっていると感じています。もっともっとレベルアップできるよう、精進したいと思います。
写真 左上から右へ 「豚の生姜焼き」、「うなぎ丼」、「牛野菜あんかけそば」
左下から右へ 「たこ焼き」、「鯖の味噌煮」、「うどんのみ」